徳島県の山里、つるぎ町。その中でも、天空の郷とも呼ばれる「家賀(けか)集落」が、いま静かな注目を集めています。2025年8月23日放送の「人生の楽園」では、この美しい山間の地で藍の栽培と古民家宿を軸に、地域再生へ挑戦する一人の女性の物語が紹介されました。
主人公は74歳の枋谷京子(かつたにきょうこ)さん。夫の故郷である家賀集落を「もう一度元気にしたい」と、60代後半から新たな挑戦をスタート。かつて賑わった村の記憶を次世代につなぐため、藍の復活と宿泊体験の場「家賀乃里 古城(こじょう)」を立ち上げました。この記事では、京子さんの半生、家賀集落の歴史、そして藍の魅力や宿での体験まで、誰にでもわかりやすく丁寧にご紹介します。
目次
人生の楽園!徳島・つるぎ町家賀集落の歴史と魅力

家賀集落は、徳島県の西部、つるぎ町の山間部に位置しています。標高150〜550メートルの傾斜地に家々や田畑が点在し、澄んだ空気と清らかな水、山里ならではの美しい風景が広がる場所です。その景観の美しさから、地元では「ソラ(空)」とも呼ばれています。
かつて家賀集落は、豊かな自然の恵みを活かした農業や、藍の栽培で賑わっていました。しかし、高齢化や都市への人口流出により、住民の数は激減。耕作放棄地や空き家が目立つようになり、集落の未来を心配する声も少なくありませんでした。

それでも、ここには「昔ながらの日本の原風景」が今も残されています。棚田の美しさ、澄み切った空、そして地域を支えてきた人々の温かい絆。訪れる人はどこか懐かしい気持ちになり、「こんな場所で暮らしてみたい」と感じる方も多いはずです。
枋谷京子さんの人生と決意
京子さんはつるぎ町出身。23歳で結婚し、神戸で新婚生活を始めましたが、夫の実家の材木店の倒産を機に、再び地元へ戻ることに。生活を支えるために訪問販売の仕事を続けながら、子育てと家業の再建に奔走しました。
その後、49歳で念願のエステサロンを開業し、忙しくも充実した日々を過ごします。しかし、幸せな時間は突然終わりを迎えます。最愛の夫が腎臓がんで急逝し、心にぽっかり穴が開いてしまいます。

そんなある日、夫の故郷である家賀集落に足を運んだ京子さんは、「この美しい村をもう一度元気にしたい」「夫の思い出が詰まった土地を守りたい」と、強い使命感を抱くようになります。人生の後半に訪れたこの大きな転機が、地域再生への第一歩となりました。
藍の復活と世界農業遺産認定
家賀集落はかつて、藍の栽培が盛んな地域でした。しかし時代の流れとともに、藍畑は姿を消していきます。「もう一度藍を育て、この地に活気を取り戻したい」と、京子さんは藍の復活を決意。住民や知人に声をかけながら、農地の整備から栽培技術の習得まで、一歩一歩着実に準備を進めました。
2019年、ついに家賀で藍の栽培が復活。その直後、「にし阿波(あわ)」地域は世界農業遺産に認定され、家賀の藍は一躍注目を集める存在となります。現在では、藍は粉末やパウダーとして商品化され、天ぷらやうどん、スイーツ、お茶など幅広い料理に使われています。藍には抗酸化作用や美肌効果もあり、健康志向の方にも人気です。
古民家宿「家賀乃里 古城」の誕生
藍の復活とともに、家賀集落を訪れる人が増えました。研究者、体験希望の観光客、藍に興味を持つ人など、さまざまな方が集まる中、京子さんは「もっと多くの人に家賀を知ってほしい」と考えます。
そこで2022年、集落にある築260年の古民家を借りて、宿泊施設「家賀乃里 古城」をオープン。趣ある日本家屋の風情と現代の快適さが融合した空間で、田舎ならではの贅沢な時間を過ごすことができます。

宿泊者は、古民家の囲炉裏や木の温もりを感じながら、田畑での農業体験や藍を使った料理を楽しむことができます。夜は静かな山里で満天の星空を眺め、朝は鳥のさえずりとともに目覚める。都会の喧騒を忘れ、自然と一体になれる贅沢な時間がここには流れています。
藍を使った料理と心づくしのおもてなし
「家賀乃里 古城」では、宿泊者の食事にもとことんこだわりがあります。京子さんが腕をふるうのは、地元で採れた新鮮な野菜や山菜、そして自家栽培の藍を使った彩り豊かな料理です。
藍の天ぷらは、目にも鮮やかでサクッとした食感が楽しめる一品。見た目のインパクトだけでなく、藍特有のほんのりとした苦みと爽やかな風味が特徴です。さらに、藍パウダーを練り込んだスイーツや藍茶も人気。藍にはポリフェノールが豊富に含まれており、健康効果を求めてリピートするお客様も増えています。

何よりも、京子さんのおもてなしの心が食卓にあふれています。訪れた人一人ひとりに寄り添い、「この村を好きになってほしい」「また帰ってきてほしい」という思いを込めて接してくれるため、多くの人が再訪を約束して帰っていきます。
地域住民との交流と新しい絆
「家賀乃里 古城」は、単なる宿泊施設ではありません。ここでは、地元の住民と宿泊者が自然と交わり、心温まる交流が生まれています。農作業や藍の収穫体験、伝統的な行事への参加などを通じて、都会ではなかなか味わえない“人とのふれあい”を体験できます。
家賀の住民たちも、「自分たちの村をもっと知ってほしい」「一緒に盛り上げていきたい」と協力的です。地域全体で温かく迎えてくれるため、一人旅や家族連れ、友人グループなど、どんな方でも安心して楽しむことができます。
家賀集落で体験できる自然と伝統文化
家賀集落の魅力は、藍や古民家だけではありません。棚田を散策したり、四季折々の山野草や渓流のせせらぎを感じたり、時には地元の伝統行事に参加したりと、まるで昔話の世界に迷い込んだかのような体験ができます。

春は山菜採り、夏は蛍や涼やかな川遊び、秋は紅葉狩り、冬は雪景色と囲炉裏を囲んだ団らん。都会では味わえない「ゆっくり流れる田舎時間」を、心ゆくまで楽しめます。
「家賀乃里 古城」へのアクセス・予約情報
家賀乃里古城
〒779-4107徳島県美馬郡つるぎ町貞光字家賀道上474
TEL:050-5444-6620
駐車場:有り
「家賀乃里 古城」は、徳島自動車道の美馬ICから車で約30分。公共交通の場合は、JR貞光駅からタクシーや送迎(要相談)も可能です。事前予約制で、1日1組限定のプライベートな宿ですので、家族旅行や少人数のグループ旅にも最適です。
お問い合わせや予約は、電話、各種宿泊予約サイトから可能です。詳細な地図や送迎の有無、体験プランの内容など、気になる点は事前に確認しておくと安心です。
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まとめ:人生の楽園!徳島・つるぎ町家賀乃里古城の藍料理や里山体験の古民家宿
「人生の楽園 徳島・つるぎ町 家賀乃里 古城」は、枋谷京子さんの情熱と、家賀集落の美しさ、そして藍という日本の伝統文化がぎゅっと詰まった場所です。夫の故郷を守りたいという一途な思いが、藍の復活や古民家宿の誕生につながり、今や地域の未来を照らす希望の光となっています。
徳島・つるぎ町の家賀集落を訪れれば、澄んだ空気と藍の彩り、そして温かな人々との出会いがきっと心に残る旅になるはずです。田舎の優しさにふれたい方、日本の原風景や伝統文化に触れたい方には、ぜひ一度足を運んでみてほしい、そんな“人生の楽園”です。
ご予約や詳細は「家賀乃里 古城」公式ページをご覧ください。
※この記事は2025年8月時点の情報をもとに執筆しています。内容やサービスは変更になる場合がありますので、事前に最新情報をご確認の上、お出かけください。
