食彩の王国は日本一のサツマイモ！元エンジニアが生んだ奇跡の甘さ

秋になると、さつまいもが恋しくなりますよね。焼き芋の香ばしい匂いや、ホクホクした食感、そしてじんわり広がる甘さ。

そんな“秋の味覚の王様”さつまいもですが、2025年秋の「食彩の王国」では、千葉県富里市から“日本一”に輝いたサツマイモ「べにはるか」が大きく取り上げられました。

このさつまいもを育てたのは、なんと元エンジニアの田中俊光さん。農業未経験からスタートし、わずか8年で全国トップレベルに。

しかも、語りは女優の薬師丸ひろ子さん。彼女の優しいナレーションとともに描かれる「日本一のさつまいも」誕生物語は、多くの視聴者の心を動かしました。

この記事では、元エンジニア田中さんがいかにして“奇跡の甘さ”を生み出したのか、その裏側にある情熱と工夫、千葉の食文化を支えるシェフたちのアレンジレシピ、地元ならではのスイーツまで、たっぷりご紹介します。

食彩の王国！夢を追いかけた元エンジニア 田中俊光さんの挑戦

「日本一のさつまいも」を育てた田中俊光さんは、もともと大手電機メーカーでエンジニアとして活躍していました。安定した仕事を辞め、農業へ転身した理由は、ひとえに“家族のため”です。

娘さんがさつまいも好きで、「本当においしいさつまいもを食べさせたい」と思ったことがきっかけでした。

しかし、農業の世界は未経験。右も左も分からず、最初は苦労の連続だったそうです。

「全てが自己流でした。でもエンジニア時代に培った“データに基づく思考”が、畑でも大いに役立ちました」と田中さんは語ります。

例えば、肥料や水分量、土壌のPH、日照時間や気温などを細かく記録し、少しずつ最適な条件を探っていきました。試行錯誤を繰り返す中で、失敗も多かったそうですが、そのたびに原因を分析し、次へと生かすサイクルを徹底。「ものづくり精神」が、農業でも花開いた瞬間でした。

そして栽培8年目、ついに“さつまいも・オブ・ザ・イヤー”で日本一の座を獲得。まさに努力の結晶です。

理想をカタチにする職人技 〜美味しさと美しさの両立〜

田中さんの「べにはるか」は、一目で分かるほど美しいフォルム。太さが均一で、皮もツヤツヤ。

この見た目の美しさには「料理するときにムラなく火が通り、どこを食べてもおいしい」という、消費者目線の優しさが詰まっています。

苗の植え方から畝（うね）の高さ、収穫タイミングに至るまで、全てに明確な理由とデータがあります。

例えば、苗をまっすぐに植えると水分が溜まりやすくなり、さつまいもが太く均一に育ちやすくなります。

また、収穫後はすぐに「熟成庫」へ。温度・湿度を厳密に管理し、さつまいものデンプンをじっくり糖分へ変化させることで、自然な甘さと蜜のような食感を生み出します。

焼き芋にすれば、中から黄金色の蜜がとろり。これぞ「奇跡の甘さ」。まるでスイーツのような深い味わいは、全国のファンを魅了しています。

千葉県富里市 “さつまいも王国”を支える自然環境

「おいしいさつまいもは、土と気候が命」と田中さんは語ります。

千葉県富里市は、温暖で雨も多すぎず、さつまいもにとって最適な環境。特に“砂質土壌”は、水はけが良く、根がよく伸びて、甘さがギュッと詰まったいもに育ちます。

また、千葉は全国屈指のさつまいも産地。先進的な農家が多く、情報交換や技術共有も盛ん。だからこそ、良い刺激を受けながらレベルアップできた、と田中さんは振り返ります。

昼夜の寒暖差も大きく、これがデンプンを糖分へ変えるスイッチに。千葉ならではの恵まれた自然が、“日本一”のさつまいもを支えているのです。

希ファーム
https://www.instagram.com/nozomi.farm/　

房総イタリアン×さつまいも “新たな美味しさ”との出会い

「べにはるか」のおいしさは、地元の有名シェフたちにも愛されています。

例えば山武市のイタリアンレストラン「Ushimaru」打矢健シェフは、「千産千消」をテーマに、地元食材と向き合うプロフェッショナル。

打矢シェフが田中さんの畑を訪れ、収穫したての「べにはるか」を焼いて食べると、「皮まで香ばしくて驚いた」と絶賛。その場でアイデアが浮かび、ねっとり濃厚な「べにはるか」はカニと合わせてリゾットに。ホクホク系の新品種は香草バターと一緒にローストし、イタリアンの新定番として地元ファンを増やしています。

このような「地元とともに生きる」感覚が、房総イタリアンの真骨頂。サツマイモが主役になる新しい料理の数々は、訪れる人に新たな驚きと感動を届けています。

Ushimaru
住所：千葉県山武市松尾町木刀1307-2
TEL：0479-86-1222
https://ushimaru.biz

秋の和食 新しい発見 “さつまいも×サンマ”の競演

出典：食彩の王国：公式HP：https://www.tv-asahi.co.jp/syokusai/?pc_yjweb

さつまいもは和食でも大活躍。「貝渕卓也」では、脂がのったサンマとさつまいもを組み合わせた創作料理を提供しています。

シャキッと歯ごたえの残るさつまいもに、サンマの旨味が絶妙に絡みます。

和風の味噌・醤油ベースのソースが全体をまとめ、さつまいもの自然な甘さがより引き立つ仕上がり。

これまで脇役だったさつまいもが、メインディッシュの主役に躍り出た瞬間です。

“和と洋のコラボ”は、千葉の食文化の豊かさを物語っています。素材を大切にし、常に新しい味覚を求めるシェフたちの姿勢が、地域全体の食レベルを引き上げているのです。

貝渕卓也
住所：千葉県千葉市中央区登戸1-6-14
TEL：043-445-8886
https://kaibuchitakuya.com/　

“古くて新しい” さつまいもスイーツ 江戸の味を現代に

甘党にうれしいのが、千葉市美浜区「パティスリータルブ」のサツマイモスイーツ。

パティシエ竹見茂雄さんは、江戸時代の料理本を参考に、当時のサツマイモ菓子を再現しました。

裏ごしして滑らかにしたさつまいもを贅沢に使い、素朴なのに奥深い甘み。

どこか懐かしく、でも新しい、そんな味わいが子どもから大人まで人気です。

日本の甘味文化の“原点”を、現代のスイーツとして生み出す職人技も見逃せません。

パティスリータルブ
住所：千葉県千葉市美浜区打瀬3丁目6 ミラマール1F
TEL：043-351-7551
https://www.tarbes04.jp/

家庭で味わう！かんたん絶品サツマイモレシピ

プロの料理人だけでなく、家庭でも楽しめるアレンジレシピがたくさん生まれています。

成田市の德竹桂宜さんが提案するのは、ちょっとピリ辛の炒め物や、レモンと白ワインで蒸し煮にする洋風レシピなど。

どちらも「さつまいもの甘さ」を引き立てつつ、ごはんにもお酒にもぴったりです。

身近な食材だからこそ、ひと手間加えるだけでグッと美味しくなるのがサツマイモ料理の魅力。

ご家庭の食卓が、秋らしく、そして楽しく彩られます。

薬師丸ひろ子の優しい語りが紡ぐ“食の物語”

「食彩の王国」といえば、ナレーションの薬師丸ひろ子さん。

彼女の落ち着いた声と、穏やかで温かい語り口は、番組をより一層印象深いものにしてくれます。

今回は、田中さんの地道な努力や、サツマイモ作りへのひたむきな情熱に寄り添うようなナレーションが心に残りました。

一つ一つのエピソードが丁寧に描かれ、見ているだけで、食の大切さや農家の誇り、そして“食べること”の幸せを改めて感じさせてくれます。

前回の放送では！
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まとめ “奇跡のサツマイモ”が教えてくれること

「日本一のさつまいも」を作り上げた田中俊光さん。

そこには、データを駆使した理論と、どこまでも諦めない情熱がありました。

自然の力を理解し、人の手で寄り添い育てる。そのバランスこそが、「奇跡の甘さ」の正体だったのです。

そして、“さつまいも”という日常的な食材が、地域のシェフたちや家庭料理、スイーツにまで広がることで、千葉の秋がより豊かに彩られていきます。

今年の秋はぜひ、焼き芋だけでなく、和・洋・イタリアンなど色んなアレンジで“サツマイモの新しい魅力”を発見してみてはいかがでしょうか。

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