四国の西部、高知県の豊かな自然に囲まれた四万十町。日本最後の清流とも称される四万十川のほとりに、小さな木工房があります。ここでひとつひとつ丁寧に作品を生み出しているのが、木工職人・土居聡(どい・さとし)さんです。
この記事では、テレビ朝日系列「人生の楽園」でも紹介された『自然木工房MOKUMOKU』の魅力を、土居さんのこれまでの歩みや創作へのこだわりとともに、たっぷりとご紹介します。
人生の楽園、放送は4月26日 土曜 18:00 -18:30 テレビ朝日
目次
人生の楽園!木工職人 土居聡さんの人生の転機
土居さんは高知市出身。大学卒業後、車のディーラーに勤め、26歳で結婚。三人の子どもに恵まれ、仕事と家庭に奔走する日々を送りました。その後、転職を経て路面電車の運転士になりますが、事務職への異動により収入が減少。将来への不安が募る中、「このままでいいのか」と自身に問いかけるようになったといいます。
そんなある日、職業訓練校で出会った木工が、人生の歯車を大きく動かしました。趣味として始めた木工が、周囲から「欲しい」と言われるほどの完成度に達したことが自信につながります。40代後半での職場の先輩の急逝も大きなきっかけとなり、人生に悔いを残さぬよう、2018年に四万十町で工房を立ち上げました。
自然木工房MOKUMOKU木の個性を生かした作品づくり
『自然木工房MOKUMOKU』では、一般に捨てられがちな端材や枝の根元など、個性的な木目を持つ素材を使っています。土居さんは「木のクセこそが魅力」と語り、節や曲がりをあえて活かして仕上げるスタイル。

作品は、コップやお皿などの食器類から、花台やカトラリーホルダー、スツール、椅子まで多岐にわたります。年間で1200点以上を製作するというから、その情熱と手際の良さは並々ならぬものがあります。木の乾燥具合や肌触りにまで気を配り、オイル仕上げで木の風合いを最大限に引き出しています。
川音が響く工房と地域とのつながり
工房は四万十川を望む山里にあり、自然音に囲まれた環境で製作が行われます。作業場の一角には“くつろぎスペース”があり、訪れた人が川のせせらぎを聞きながら作品を手に取ることができるよう工夫されています。
また、地元の商店の方々との交流も、土居さんにとっては大切なインスピレーション源。作品づくりのヒントは、地域の何気ない日常会話の中にもたくさんあるといいます。まさに地域に根ざし、地域に支えられる木工房です。
週末市で広がるあたたかい絆
毎週末、土居さんは高知市内で開催される土曜市や日曜市に出店しています。ここでは、直接お客さまと触れ合いながら作品の魅力を伝えられることが何よりの喜びだと話します。

「木のぬくもりが伝わった瞬間のお客様の表情が嬉しい」と語る土居さん。初めて訪れた人がリピーターになり、やがては家族ぐるみの交流になることもあるのだとか。土曜市の朝は、MOKUMOKUのブースに笑顔があふれるひとときとなっています。
自然木工房MOKUMOKU
〒786-0095 高知県高岡郡四万十町米奥191
自然木工房MOKUMOKU:公式Instagram
自然木工房MOKUMOKU!アクセス
車でのアクセスは、四国横断自動車道、四万十町東から約16分
街と自然、ふたつの拠点で育む豊かさ
四万十町で作品を作り、高知市の自宅で家族と過ごす。そんな二拠点生活を送る土居さんは、それぞれの地の良さを感じながら創作に活かしています。自然の中で集中してものづくりに没頭し、都市部での暮らしで刺激や情報を得る。このバランスこそが、長く木工を続けるエネルギー源になっているそうです。
夕食には、妻・優子さんが腕をふるう郷土料理が並び、夫婦水入らずの時間を過ごすことで心身ともにリフレッシュ。そしてまた次の作品づくりに向けて、意欲を新たにします。
高知オーガニックマーケット(土曜市)と日曜市で販売しています!

出典:人生の楽園:公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/rakuen/?pc_yjweb
『自然木工房MOKUMOKU』の作品は、高知市で毎週開かれている「高知オーガニックマーケット(土曜市)」や「日曜市」で販売されています。
椅子やテーブルなどの大きな家具は、一つひとつにシリアルナンバーを付けて管理していて、大きさや特徴、購入されたお客様のお名前も手帳に記録しています。そのため、もし壊れたり調整が必要になったときも、すぐに対応できるので安心です。
また、見た目だけでなく、手に持ったときのやさしい感触や、食器に口をつけたときの心地よさにもこだわっています。
このため、「料理がもっと美味しく感じる」と評判の食器もたくさんあります。

作品にふれると心が温かくなると、多くの人が感じる聡さんの木工品には、高知県内だけでなく、県外からもたくさんのファンが訪れています。
未来への挑戦と地域への恩返し
現在、土居さんは工房でのワークショップや木工教室の開催にも力を入れ始めています。地元の子どもたちに木工の楽しさや創る喜びを伝えることで、技術の継承と地域貢献を目指しています。学校や地域イベントと連携しながら、小学生から高齢者まで幅広い世代が参加できる講座を企画中で、世代を超えた交流の場となりつつあります。
また、オンライン販売やオーダーメイド受注も強化中で、全国のファンに向けて“木のある暮らし”の提案を続けています。SNSやウェブサイトを通じて、製作風景や木材への思い、商品の紹介を発信しており、遠方に住む人々にもMOKUMOKUの魅力を届けています。

さらに、今後は木工の魅力をさらに多くの人に届けるため、地域の観光施設と連携して体験型ツアーや、地元の特産品と木工品を組み合わせた新たな商品開発も構想中です。MOKUMOKUが、四万十町の魅力を体感できる“地域ブランド”の一翼を担う日も、そう遠くないかもしれません。
夢だったというウッドデッキがついに完成

出典:人生の楽園:公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/rakuen/?pc_yjweb
四万十町に工房を構えて3年。聡さんがずっと夢見ていた「ウッドデッキ」が、ついに完成しました!ウッドデッキを一緒に作ってくれたのは、地元の木工仲間である中平さんご夫妻。完成を祝って、みんなでお祝いをしました。
聡さんは「近所の人たちとこのウッドデッキで楽しくおしゃべりしたい」と嬉しそうに話しています。家族や地域の人たちに支えられながら、四万十ともう一つの拠点での暮らしを楽しみ、聡さんの夢はこれからもどんどん広がっていきます。
前回の放送では!
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自然を感じる観光スポットが多い地域!
ドライブにも最適です。
四万十川源流の温泉も周りには自然がいっぱい!

足摺・四万十・宿毛・須崎の観光スポット情報で見つかります。
人生の楽園「木と人をつなぐ場を、もっと広げたい」
そんな土居さんの想いは、作品に込められたぬくもりとともに、ゆっくりと、しかし確実に広がりを見せています。日々の暮らしの中で木の存在を感じることで、心が落ち着いたり、家族の会話が生まれたりと、暮らしに彩りを添える木の力を信じて、土居さんは今日も木と向き合っています。
特に近年では、都市部に暮らす人々から「自然とのつながりを感じたい」「温もりのある道具を手に取りたい」という声も多く寄せられており、土居さんの作品がその架け橋となっているのです。実際に工房を訪れた人からは「木の香りに癒された」「作品に触れて心が温まった」といった声が後を絶ちません。
また、イベントで出会った親子が、作品を通じて木工に興味を持ち、その後工房を訪れたというエピソードも。人と人を結ぶきっかけにもなっているのが、MOKUMOKUの魅力のひとつです。
四万十町の澄んだ空気と、木の香りに満ちたMOKUMOKUを訪れれば、きっとあなたの心にも、あたたかい何かが芽生えることでしょう。
──清流と木のぬくもりに包まれる、人生の楽園。四万十町で、あなたを待つ物語があります。