千葉県南房総市は、東京から約2時間というアクセスの良さながら、緑豊かな山々と澄んだ海に囲まれた自然の宝庫です。ここに築65年の古民家を自力で修繕し、『里山体験民泊こえむ』を営む東條俊行さん(54歳)と芽久未さん(55歳)。二人は都会の喧騒を離れ、地元の人々と連携しながら、四季折々の美しい里山での生活をゲストにも味わってほしいと考えています。本記事では、“移住から1年”という節目を迎えたご夫妻が実践し、感じた「田舎を楽しむ7つの秘訣」をさらに深堀り。自然や地域、そして自分自身と向き合うためのヒントを、お届けします。
目次
人生の楽園自然とのふれあいを五感でより深く楽しむ
南房総の里山は、春の山菜、夏の清流と蛍、秋の色づく落ち葉ときのこ狩り、冬の焚き火と薪割り……と、季節ごとに異なる魅力を放っています。早朝、鳥のさえずりで目覚めると、夜露に濡れた草の香りや、清らかな風の冷たさを全身で感じられます。雑木林の中で野草を摘みながら、ブルーベリーやフキノトウなど、希少な山菜の見分け方を学び、旬の味覚を天ぷらや和え物、炊き込みご飯に活用する食文化としても楽しめます。さらに、夜は星空観察も忘れずに。光害の少ない里山の夜空には、天の川や流れ星がはっきりと見え、日常では得られない静寂と感動が味わえます。
古民家リノベーションで手仕事の喜びを実感
築65年の古民家は、床のきしみ、壁のひび割れ、シロアリの被害など多くの課題を抱えていました。しかし、『こえむ』では地元の大工や左官職人によるワークショップを開催し、ご夫妻自身はもちろん、宿泊ゲストも一緒にDIYを体験。床張りでは、無垢の杉板を一枚ずつ丁寧に削って磨き上げ、漆喰塗りでは、自家製の土壁を使って塗りムラを楽しむなど、参加者の創意工夫が古民家に新たな表情をもたらします。また、レンガ積みのピザ窯づくりや、蔵の改装によるアートギャラリースペース設置など、プロジェクトごとにテーマを設けることで、完成までの過程自体が学びとコミュニケーションの場になります。
農業体験で“食と暮らし”を自分ごと化する
裏庭の畑では、季節に応じた野菜や古代米の栽培を行っています。芽久未さんが手塩にかけた種を蒔き、かまどで手作りの堆肥を作るところから始めることで、土の状態や作物の生育過程への理解が深まります。春のダイコンは、鮮烈な辛味を活かした“味噌漬け”に加工し、夏のナスは農家直伝の焼きびたしレシピでゲストに振る舞うなど、収穫から加工、保存、調理まで一貫して体験できる仕組みが魅力です。自家製味噌や醤油は半年以上の熟成を経て完成し、冬の鍋料理でその深い旨味を実感することで、食の循環と季節感を体全体で味わえます。
里山コミュニティへの参加で“人の輪”を広げる
移住直後は地元の方々との関係づくりに戸惑いもありましたが、『さとやま農学校』や『田舎塾』の定期講座に顔を出し続けることで、信頼関係が少しずつ築かれました。最初のうちは地元のお年寄りから軽い視線を感じることもありましたが、共同作業を通じて「お互いに助け合う仲間」という意識が芽生え、自然と会話のきっかけが増えました。
毎月開催の収穫祭や伝統行事への参加は、地元文化を学ぶだけでなく、人との絆を実感する大切な機会です。春には田んぼの代掻き作業を手伝い、夏にはお盆の飾り付けを一緒に行い、秋には稲刈りと収穫祭、冬にはしめ縄づくりワークショップや餅つき大会にも参加します。その過程で「この土地の歴史や人々の思いを次世代につなぎたい」という共通の想いを抱く仲間が増えました。
たとえば、冬の“しめ縄づくりワークショップ”では、稲わらを編む技術を教わるだけでなく、地元の職人さんから田んぼの昔話や収穫にまつわる逸話を聞くことができます。作業後の茶話会では、集まった人々が手作りの漬物やおせち料理を持ち寄り、レシピを交換したり、保存方法や調理のコツを教え合ったりします。このように、“参加型”の活動を通じて得られる学びや交流は、単なる趣味の域を超え、生活の知恵や地域文化への理解を深める貴重な体験です。
また、ご夫妻は地域の小さなイベントや自治会の行事にも積極的に参加しています。子ども向けの自然観察会で講師を務めたり、地域の祭りで屋台の手伝いをしたりすることで、幅広い世代の方々と交流が生まれ、さらに深い人間関係が築かれています。

こうした経験を通じて、東條ご夫妻は「地域の一員として受け入れられる喜び」を実感し、田舎暮らしを続ける大きな支えとなっています。
『未完成』こそ味わい、多様な学びを取り入れる
東條さんは「家も畑も人生も、未完成だからこそ面白い」と力強く語ります。彼が特に大切にしているのは、「あえて完成を先延ばしにする」ことで、日々新たな発見と挑戦が生まれるという考え方です。例えば、古民家の外壁は依然として半分だけしか漆喰を塗り終えておらず、残りの壁面には塗り仕上げのパターンを試作するためのサンプル区画として空けてあります。畑においても、次の種を蒔く予定のエリアを一定期間空白にしておくことで、土壌の状態を観察し、作付けと休閑を交互に実践する輪作の効果を体感できるのです。
完成が目の前にあると作業は単調になりがちですが、あえて未完成のまま保つことで、都度生じる小さな課題に取り組むモチベーションが持続します。壊れたままにしている窓枠を修理し直す際には、新しい技術や道具を試す機会となり、そのたびに仲間やゲストと意見交換をしながら最適な方法を探ります。

こうした一連のプロセスを通じて、「思いつきを形にする楽しさ」「失敗から得られる学び」「仲間との協働による達成感」といった、多面的な学びの幅が大きく広がるのです。
四季折々の体験プログラムで感性を磨く
春の山菜採りや桜の観賞、夏の蛍狩りや滝行体験、秋の稲刈りと収穫祭、冬の薪ストーブ料理教室……里山『こえむ』では、季節に応じた多彩なプログラムを展開しています。特に新設された“山の瞑想リトリート”では、森林浴と呼吸法を組み合わせ、ストレス緩和と集中力向上を同時に狙うセッションが好評です。
おもてなしを通じて交流の深い“旅の物語”を紡ぐ
農作業やDIY、料理体験を通して、ゲストとご夫妻は共同制作者の関係に。夜は囲炉裏を囲んで地元食材を使った創作郷土料理を味わい、昔話や人生相談まで、心の距離が一気に縮まります。ゲストが投稿するSNSやレビューには、「人生観が変わった」「ここで得た気づきを仕事に活かせた」といった声も多く、里山体験こえむが生み出す“交流の化学反応”は、リピート客を増やす大きな要因です。
里山体験民泊こえむ所在地と周辺観光スポット
里山体験民泊こえむの所在地
〒294-0804 千葉県南房総市海老敷464-1
TEL:090-9313-5507
アクセス方法
車利用の場合:館山自動車道 富浦ICから国道127号線経由で約20分。敷地内に無料駐車場あり。
周辺のおすすめ観光スポット
道の駅 ローズマリー公園:地元産ハーブや手作りクラフトが並ぶ複合施設で、ガーデン散策や体験教室も開催。車で約15分
野島崎灯台:房総半島最南端に位置する歴史ある灯台。太平洋を一望できる展望台や海岸遊歩道が魅力。車で約25分
南房パラダイス:熱帯植物園や動物ふれあい広場、フルーツ狩りが楽しめる観光農園。季節の花やフルーツを満喫できます。車で約25分
潮風王国:海辺の道の駅で、新鮮な海産物や地元グルメを味わえるフードコートあり。眺望デッキからは太平洋を望めます。車で約20分
房総フラワーライン:花と海の景観が続くドライブコース。春には菜の花、夏はひまわりなど、四季折々の花畑を楽しめます。車で約30分
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まとめ:人生の楽園千葉南房総市里山体験民泊こえむで田舎を楽しむ7つの秘訣!自然と共に暮らす贅沢な日々をご提案
里山体験民泊こえむの東條ご夫妻が実践する7つの秘訣を、深く掘り下げました。自然との一体感、手仕事の喜び、食の循環、人とのつながり、未完成の美学、季節プログラム、おもてなし――これらを五感で味わうことで、心身ともに豊かな暮らしが手に入ります。
千葉・南房総市で自分だけの里山ライフを体験したい方は、ぜひ「里山体験民泊こえむ」の扉を叩いてみてください。新たな発見と学びに満ちた田舎暮らしが、あなたを待っています。