日本の経済発展を語る上で欠かせない「伝統産業」――かつて隆盛を誇った養蚕、炭焼き、印刷といった業界も、近年では「斜陽産業」と呼ばれることが増えています。
しかし、時代の波に押されて苦境に立つこれらの産業が、今まさに新しい技術や発想によって再生し、注目の的となっていることをご存知でしょうか?
2025年10月26日放送の「がっちりマンデー!!」では、そんな“ピンチ業界”の最前線で戦う「斜陽産業スター」企業に密着!
養蚕・炭焼き・印刷という一見“古い”と捉えられがちな3つの業界で、いまどんなイノベーションが起きているのか。番組で取り上げられた実際の取り組みと、そこから見えてくる「ピンチこそチャンス!」という逆転の発想について、詳しくご紹介します。
この記事を読めば、斜陽産業にこそ眠る“新しい稼ぎ方”と、ビジネス再生のヒントがきっと見つかるはずです。
目次
がっちりマンデー!!伝統の逆襲!一年中シルクを生む“ながすな繭株式会社”の挑戦
10月26日(日)朝7:30〜📺#がっちりマンデー !!
— がっちりマンデー!! (@gacchiri_m) October 24, 2025
『儲かる斜陽産業スター』
ピンチ業界でも独自アイディアでがっちり!
シルクの糸以外の使い方!シルク入り〇〇!炭業界にデジタル改革!高級備長炭を量産する㊙窯!印刷業界の意外な稼ぎ方!放送ぜひご覧ください!#tbs pic.twitter.com/qdsrbjY9No
最初にクローズアップされたのは、日本の歴史とともに歩んできた養蚕業界。
かつて「白いダイヤ」と呼ばれ、日本経済をけん引した養蚕業ですが、ライフスタイルの変化や海外生産の拡大で大きく縮小。

そのまま“絶滅危惧産業”となるかと思いきや、今、ながすな繭株式会社がまったく新しい道を切り拓いています。
代表の藤井卓さんは、従来の季節任せだった養蚕のスタイルを一新。
最新の温度管理技術と、独自開発の高効率飼料を組み合わせることで、蚕を一年中育てられる「通年養蚕モデル」を実現しました。これにより、安定して高品質なシルクを生産・供給できる体制を構築。
農家の副業ではなく、“現代型アグリビジネス”として新たな収益の柱に育っています。
加えて、同社の本領発揮はシルクの多用途展開です。
従来の「糸を取るだけ」の用途から一歩進み、シルクパウダーやシルクシートとして加工し、
• 美容・スキンケア商品
• 機能性食品やサプリメント
• ヘルスケア分野(人工皮膚や創傷ケア等)
など、多彩な分野に展開。その中でも「シルク入りスムージー」や「シルク配合スキンケア商品」はSNSでも話題となり、若い女性や健康志向のユーザー層を中心にブームの兆しを見せています。
さらに、海外輸出も拡大。伝統の復権だけでなく、グローバルな新市場開拓にも意欲的です。
まさに、古き良き日本の知恵と現代テクノロジーが融合した“未来型養蚕業”。

「伝統×革新」のリアルな成功例がここにあります。
ながすな繭株式会社
ながすな繭株式会社
〒629-3101 京都府京丹後市網野町網野363−1【google map】
TEL :0772-72-5033
ながすな繭株式会社:公式HP
職人の勘からデータへ!炭焼き業界を変える“スマート炭焼き”革命
二つ目に紹介されたのは、環境ビジネスやアウトドア人気の流れも追い風となっている炭焼き業界。
徳島県の株式会社四国の右下木の会社では、これまで“職人の勘”に頼っていた炭焼きの世界に、デジタル革命の波が押し寄せています。
代表の吉田基晴さんがリードするのは、IoTセンサー技術を取り入れた「スマート炭焼きシステム」。
窯の内部温度や湿度、排気の状態をリアルタイムでモニタリングし、最適なタイミングで火力や空気量を自動調整。
これにより、職人の経験に頼らずとも**安定した高品質の炭(備長炭)**を大量生産できる仕組みを完成させました。
このスマート炭焼きによって生み出される炭は、紀州備長炭に並ぶ高級品としてレストランやバーベキュー業界から高評価。
さらには、木材の端材や間伐材を活用して原料コストを抑えつつ、廃棄物も最小限に。
また、炭焼き過程で発生する熱や煙も有効利用し、
• 地域の温浴施設の熱源や、
• 発電用バイオマス燃料
• 農業用ハウスの暖房
など、循環型のローカルエネルギーモデルを築いています。
伝統技術を守るだけでなく、地域経済やSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献する新たな炭焼きの形。

地方創生のモデルケースとして、他県からの視察も相次いでいるそうです。
株式会社四国の右下木の会社
株式会社四国の右下木の会社
〒779-2305 徳島県海部郡美波町奥河内弁才天54−5【google map】
株式会社四国の右下木の会社:公式HP
株式会社四国の右下木の会社:公式Instagram
紙の価値を再発見!印刷業界の“感動と体験”を売るglassy株式会社
最後に取り上げられたのは、一見“電子化の波”に押されて沈みがちな印刷業界。
東京都のglassy株式会社は、「デジタル時代にこそ紙のチカラを活かす」独自戦略で躍進中です。
代表の工藤太一さんは、「触れる感動」「紙の重み・質感」といったアナログ体験を大切に、
• 企業の高級カタログやノベルティ
• 限定フォトカードやブランドグッズ
• 特殊印刷(エンボス・箔押し・立体加工など)
を“手に取ったときの感動”ごと商品化。さらに、
AR(拡張現実)やQRコードを使って、紙の上にデジタル動画やメッセージを呼び出せる“動く印刷物”など、紙とデジタルの融合も積極的に取り入れています。
特に若者層に人気なのが、推し活やアイドルイベント向けの「限定フォトカード印刷」。
SNS全盛時代に、あえて“現物の美しさ”と“コレクションする楽しさ”を追求し、ファンから圧倒的支持を獲得しています。
また、企業向けには「手に取る体験」を活用したブランディング提案を行い、「デジタル広告だけでは埋もれてしまう」時代の新たな訴求力として多くの注文が集まっています。
紙=オワコンではない。

「紙だからこそ伝わる価値」を追求する姿勢は、今後の“ものづくり”のヒントにもなりそうです。
glassy株式会社:公式HP
glassy株式会社:公式Instagram
斜陽産業に共通する「再発見」と「融合」のチカラ

今回紹介された3つの企業や業界に共通するキーワードは、
**「再発見」と「融合」**です。
• 養蚕業界は、「糸を作る」だけでなく「素材としての活用」を発見し、新たな市場を切り開きました。
• 炭焼き業界は、職人技とIoTセンサーの融合で、従来できなかった安定供給と省人化を達成しました。
• 印刷業界は、「紙かデジタルか」ではなく、「紙とデジタル」を組み合わせた体験価値にシフトしています。
斜陽産業の多くは、「古いからダメ」なのではなく、「古い=今の技術や社会とどう掛け合わせるか」が問われているのです。

新たな発想・技術・人材との融合があれば、どんな業界も再びスターになれる時代がやってきています。
スタジオトークも白熱!「昔の業界」こそ伸びしろが大きい
番組スタジオには、MCの加藤浩次さん、進藤晶子さん、ゲストのナイツ(塙宣之さん・土屋伸之さん)、そして経済アナリストの森永康平さんが登場。
各企業の斬新な取り組みには「ピンチをチャンスに変える発想がすごい」「伝統とテクノロジーの融合は最強」と感嘆の声があがり、
「炭焼きで地域暖房!」「シルクのスムージー??」と驚きながら、笑いも交えてトークが展開されました。
森永さんは「日本の地方にはまだまだ“埋もれた宝”がたくさん眠っている」とコメント。
特に養蚕や炭焼きのような伝統産業こそ、現代の知恵や技術で“まったく新しい価値”を生み出せる可能性があると強調していました。

「デジタル化=敵」ではなく「デジタル化×伝統」がこれからの主役、という視点は、多くの視聴者に新鮮な気づきを与えたことでしょう。
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まとめ ピンチこそ最大のチャンス!あなたの身近にも眠る可能性
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がっちりマンデー!!:公式 X
今回の「がっちりマンデー!!」を通じて感じたのは、「斜陽産業」と呼ばれる分野こそが、実は“未来を変える可能性”に満ちているということです。
• 養蚕のシルクが、衣服や和装だけでなく、美容や医療分野の未来素材として世界で注目される時代。
• 炭焼きが、エネルギー・環境・地域経済を支えるスマート産業に進化。
• 印刷業界が、紙の“触れる価値”とデジタルの“体験”を融合し、新しい消費体験を生み出す。
どの企業も共通しているのは、「時代の変化にあきらめず、知恵を絞り、行動した」こと。
ピンチの裏側には、必ず新しいチャンスが眠っています。
今、あなたの身近な“当たり前”の中にも、イノベーションの種がきっとあるはずです。
「斜陽産業スター」の挑戦から学び、次の一歩を踏み出すヒントにしてみてはいかがでしょうか。
